「上海万里の長城」固有のテクニック


目次

   1. 牌の絵柄
   2. HELP、BACK、RESTARTの使い方
   3. 配列生成ロジックのクセ
     3.1 花牌と季節牌の手順
     3.2 難易度調整ロジック
     3.3 配列の傾向
   4. バグの回避

1. 牌の絵柄

上海万里の長城では牌の絵柄を3種類の中から選択できるが、クラシック上海をプレイする場合には部分的にしか見えていない牌を識別しやすい絵柄が最も有利になる。
下のツールで確認すれば一目瞭然だが、麻雀牌の場合は上半分が隠れていると萬子の識別がつけられなくなり、音符牌の場合は右半分に1段重なって隠されている場合などに識別のつかない組み合わせがいくつかある。
星座牌の場合は上半分や左半分だけでなく、下半分や右半分についても1段分までは全ての牌で識別がつくため、星座牌を選ぶのが最も有利といえる。


識別可能とはいえ、下半分や右半分を隠された場合には識別の難しい牌がいくつかある。
特に右半分を隠された時のは見えている部分の形が同じで高さが1ドット違うのみで(色合いの違いは微妙すぎて現実的に識別できない)、分かっていても非常に識別が難しいので注意が必要である。

2. HELP、BACK、RESTARTの使い方

上海万里の長城には、使用回数に制限のあるHELP、BACKと、回数に制限は無いが使用するとタイマーの減少速度が早くなるRESTARTの機能がある。

HELPを使用すると、その時点でペアにして取ることのできる全ての牌が強調表示される。
HELP
想定手順と合致していないペアや取ることによって手詰まりが確定してしまうペアも全て同じように強調表示されるので、取り方を選ぶ際の参考にはならない。
従って、HELPの使用目的はあくまでも取れるペアを探す時間を節約するためと割り切るべきである。実際には、以下のような状況でHELPを有効に使うことができる。

BACKを使用すると1手戻すことができるが、最大3個までしか増やせないので連続で使用しても3手までしか戻せない。
手詰まりに気づいた時点ではほとんどの場合3回使っても手詰まりを回避できるところまで戻せないので、そのような状況ではRESTARTを使わざるを得ない。
むしろBACKは下図のように下にある牌を覗き見ないことには手順を確定できないような状況で使用することが多い。

RESTARTは使用するとタイマーの減少速度が早くなってしまうので、主に手詰まりを回避できないことが確認できた状態で使用することになる。
RESTARTを使用する時は、以下の点に注意すべきである。

また、RESTARTは時間の使い方をミスして、もはや時間切れを避けられないような状況の時にも有効に使うことができる。この場合には次回以降同じ場所で時間を使いすぎないようにすることが重要なので、手順がほぼ確定している序盤のうちに考えるべきことをまとめておいたり、HELPを使って時間を節約したりすることが対策となる。

さらに、RESTART後のタイマーの減少速度は「1秒あたり(その面で使用したRESTARTの回数)+1カウント」になることから、ある程度の回数RESTARTを使用した場合にはさらにRESTARTを使うことのデメリットが小さくなっていく。
このことから、5回以上RESTARTを使ってしまった場合にはあえてRESTART1回分を手順を考える時間を確保するために使い、その次のトライでクリアを狙う、という方法もある。

3. 配列生成ロジックのクセ

3.1 花牌と季節牌の手順

花牌と季節牌は他の牌と異なり同種の牌同士でも絵柄が異なるが、想定手順上ペアとなる牌の絵柄は固定されていることが分かっている。
例えば花牌の場合、想定手順上菊と竹は常にペアとして扱われ、菊と梅や菊と蘭がペアとして扱われることは無い。
その他の牌では以下の表の通りとなる。

麻雀牌
星座牌
音符牌(未調査)

これらのペアは想定手順通りに手を進められているなら安全に取ることができるが、たとえクリア可能な手順であっても想定手順と異なる手順で進めている場合には取ると手詰まりになるケースがあり得るので注意が必要である。
例えば下図の状況では発と中が入れ子になっているため、既に発と中を取っている場合には花牌を菊と竹で取ってしまうと手詰まりになる。

3.2 難易度調整ロジック

基礎データ編で述べた通り、このゲームの配列の難易度は「同種の牌が想定手順上で隣接する率」を変動させることによって制御されている。
特にGAME ASSIGNMENTSでGAME DIFFICULTYを0(EASY)に設定していると、最初の3面まではほとんどの牌を4枚同時に取りすすめられるようになる。
工場出荷設定の2でプレイするとそこまで極端な傾向は出ないが、序盤面のうちは4枚同時に取れる牌が比較的多く、終盤になると逆にほとんどの牌で同種の牌の2つのペアを取るタイミングが大きく離れることになる。
このロジックの影響で、序盤面と終盤面でそれぞれ特徴的な戦術が使えるようになる。

序盤の1〜6面では同種の牌の2つのペアを近い手順で取る確率が特に高いため、「取りやすい位置に同種の牌が3枚見えている場合、残りの1枚も取りやすい位置に隠れている可能性が高い」という推定が通用する。
また9面あたりまでは「4枚のうち2枚しか見えていない牌については、残りの2枚が取りやすい位置に並んだ状態で隠れている(=その2枚を残すと手詰まりになる)可能性を考慮する必要がある」ということも言える。

これが16面あたりまで進むと「取りやすい位置に同種の牌が4枚見えている場合であっても、4枚同時に取るためにその牌を塞いでいる牌を取りにいくのは危険」ということになる。
また25面にもなると「4枚のうち2枚しか見えていない牌は、その2枚を取ってもほぼ安全」と言えるまでになる。

3.3 配列の傾向

このゲームの配列生成ロジックは、しばしば以下のような配列を生成することが分かっている。
これらの傾向は想定手順生成ロジックの特徴によるものであって難易度パラメータとは直接関係がないため、ほとんどの面で同じような傾向が見られる。

横2枚の列で同じ高さに同じ牌が並んでいる場合、ほぼ100%の確率でその下には同種の牌が2枚並んでいる。
下図の例では中2枚の下には同じ牌が2枚並び、東2枚の下には2段目も1段目も同じ牌が2枚並んでいる。
またこのような配置になっている場合は想定手順上並んでいる2枚がペアになるため、想定手順に沿って進められている限りは東の上に乗っている北を安全に残しておくことができる。

横に長い列に2種以上の牌が左右対称に並んでいる場合、かなりの高確率でその全ての牌が想定手順上のペアになっている。
下図の例の一番上の列では一萬と二萬が左右対称になっているため、想定手順上は左右の字牌を取ってから一萬、二萬の順に取っていくことになる。従って、一萬と二萬とその外側にある東と西の計6枚は安全に残しておけることが分かる。
2列目の場合は周囲の字牌を東、南、西の順に取るべきだということは分かるが、中央に西があるため一筒と二筒を安全に残しておくことはできない。
3列目の場合は一索と二索をこの列のペアで取ることになるので、南は外側から1枚ずつはがしていく手順になる。

高さ2で横に長い列では、下図のように同種の牌が斜めに並ぶことがよくある。
右端の例では下の牌が隠れて見えていないが、このような地形でも東の下に南、南の下に西、西の下に北と並ぶことがよくある。
こうした地形では、ほとんどの場合並んでいるペアが想定手順上のペアになっている。ごくまれに例外となるケースもあるので注意は必要だが、その場合であっても残り2枚がすぐに取れる位置にあることが多いのでその列自体は一気に取り進められる。

4. バグの回避

バグの詳細については基礎データ編を参照。
ここでは取れる牌があるにもかかわらず手詰まりと判定されてしまうバグの具体的な回避方法について記述する。

基本的には取ることもできるが取らなくても問題のない牌を1組残しておくことで回避できる。
例えば下図のような状況では右下の発が安全に残しておけるので、この2枚を最後まで残しておけば良い。

このような牌をうまく残しておけなかった場合は、常に2組以上のペアが取れる状態を維持するように細心の注意を払う必要がある。
例えば下図の状況では東を取った後に発と中を4枚ずつ取ることができるが、東発中の順に取ると発と中の取り方によっては手詰まりと判定されてしまう可能性がある。しかし発中東の順に取れば常に2組以上のペアが取れる状態を維持できる。


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