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1. 概要 2. 想定手順の推定方法 2.1 上海IIの想定手順の特徴 2.2 花牌と季節牌 2.3 1面[乕配列/TIGER] 2.4 2面[蠍配列/SCORPION] 2.5 3面[猿配列/MONKEY] 2.6 4面[蛇配列/SNAKE] 2.7 5面[豹配列/PANTHER] 2.8 6面[龍配列/DRAGON] 2.9 意図的に想定手順を外すテクニック 3. その他のテクニック 3.1 部分的に隠された絵柄の識別 3.2 ミスを減らす方法 3.3 ヘルプについて
2015/12/18 初版公開 2018/08/29 3.2にそろばんの画像を追加 2023/01/22 新しい映像を追加
上海シリーズの各作品は、絶対に解けない配列が生成されないような工夫がなされている。
上海IIもその例に漏れず、山の形に合わせて手順を生成し、その手順に合わせて牌を配置することによって配列を生成していることがわかっている。
このように生成された配列は、想定されている手順通りに取り進められれば必ずクリアできるようになっている。
また、上海IIの山の形は想定手順から外れた場合に手詰まりになりやすい形が多いため、できるだけ想定手順に沿って取り進めることが攻略の基本的な方針となる。
本稿では、上海IIの想定手順の特徴と実際に生成された配列から想定手順を推定する方法を中心に、クリア率を上げていくために必要な技術を解説する。
上海IIの想定手順は、細かな部分については配列ごとの差異があるものの、大まかな手順は各面ごとにほぼ固定されていることがわかっている。
以下の例は典型的な5面の手順の概要である。
5面の場合は序盤は山の高い部分と4・5列目の左右の端から取り進め、そこから5列目を取りつつ3・4列目の3段目より上を取り、その後3・4列目の1・2段目を取り去ってから、最後に2列目に手をつける手順になる。
他の配列でもこの大まかな手順が変わることはないが、細かな部分、例えば序盤で山の高い部分と4・5列目の左右の端のどちらを先に取るべきかなどは、配列ごとに異なっている。
上記の例でもわかるように、上下対称の地形であっても各列の優先順位はそれぞれに異なっている。
これに対し、左右方向についてはどの配列にも共通するような特徴は見つけられていない。
この例ではどの列もほぼ左右から均等に取り進めているが、配列によっては特定の列を左右の一方からのみ取り進め、最後に逆側の端の2〜3枚目が残るような手順になることもある。
もう一つ上海IIの配列の特徴として、山の一部が他の部分とほぼ独立した構成になる点が挙げられる。
例えば2面の場合、1・2列目と3〜7列目はほぼ独立した構成になっていて、1・2列目にある牌は1・2列目の牌同士、3〜7列目の牌は同じ範囲の牌同士で取る手順になっている。
以下の例は典型的な2面の配列だが、1・2列目の牌の内3〜7列目の牌とペアにして取るべき牌は、山の表面付近に位置していると、一番奥にあるの合計14枚のみであり、他の50枚25組の牌は1・2列目の牌同士で取り進められる構成になっている。
(図は牌をクリックすると下の牌を確認できるようになっている。)
花牌と季節牌は他の牌と異なり同種の牌同士でも絵柄が異なるが、想定手順上ペアとなる牌の絵柄は固定されていることが分かっている。
それぞれ、、、、が想定手順上のペアになっている。
この二種類の牌について想定手順が確実にわかるということは、他の牌の想定手順を推定する上での参考にもなる。
例えば下図のような状況においてはとが入れ子になっているので、を左端の2枚で取ってからを取る手順になることがわかる。
ここで安全な手順だからといってとをペアで取ってしまうと、1列目のを左右どちらで取るべきかわからなくなってしまう。
1面は上2列と下1列、および左右の端にある1枚しかない島の範囲(図の赤いマークの範囲)が独立した構成になる。
ただし枚数が少ないので、この範囲のみを先に崩すメリットはない。
この範囲に2枚ある牌は終盤まで残しておいて問題ないが、1枚しかない牌は序盤で取る場合もあれば終盤まで残しておくべき場合もあるので判断が難しい。
序盤はまず3〜7列目の範囲で取っていくが、5段目の4枚のうち上下の2枚は優先度が高く、中央の2枚はやや優先度が低い。
赤いマークで示した範囲の牌は確実に安全な牌か、どうしても必要な牌以外はとらないほうが良い。
3列目と6列目は比較的早い段階で崩すことが多いのに対し、4列目と5列目は表面部分のみ削ることが多く、深く掘るとしても特定の列の片側のみ掘ることになりやすい。
中盤に入ると3〜7列目を満遍なく左右から崩す感じになる。
3列目と6列目は序盤である程度崩しているが、この2列を先に取りきるような手順にはならない。
終盤にはだいたい4・5列目の中央部分に2〜3段の山が残る。
ここで2択や3択になると見えている牌だけでは手順を推定できない場合も多いので、開幕で牌が並べられている時に残りそうな部分の1段目の牌を4〜6枚程度覚えておくと推定の助けになる。
2面は上2列(赤いマークの範囲)が他の部分と独立した構成になる。
上2列の表面部分には5〜10枚程度3〜7列目の牌とペアにすべき牌があるが、序盤で取ることもあれば7列目の中央部分とペアにして取る場合もあるので慎重に判断する必要がある。
序盤は7列目を左右から崩すために必要な牌を主に3〜6列目から調達する手順になる。
7列目を崩すために必要な牌が3列目の奥にあり、結果として先に3〜6列目をほとんど取りきってしまうような手順になることもあるが、ほとんどの場合は3〜6列目と7列目を同時に崩していくことになる。
この段階では3〜7列目とペアにする牌以外で1〜2列目に手をつける必要はほとんどないが、安全と見込める範囲である程度崩しておくと、隠れている牌が見えることで想定手順を判別しやすくなることもある。
3〜7列目の牌が残り少なくなり、隠れていた全ての牌が見えるようになったら1〜2列目に取り掛かる。
想定手順に沿って進めると3〜7列目には0〜3枚程度しか残らなくなるが、1〜2列目を安全に進めるためには即座に取る必要のない牌まで取り尽くしてしまわない方が良い。
1〜2列目を崩すために3〜7列目に残した牌を利用する方法については意図的に想定手順を外すテクニックの項を参照のこと。
最終的には1〜2列目の中央部分に2〜3段の山が残る。
ここでも2択や3択で手順を読みきれなくなることがあるので、開幕で1段目の牌をある程度覚えておくと良い。
3面は上3列と下2列(赤いマークの範囲)が他の部分と独立した構成になる。
ただし2段目の牌については他の部分とペアにして取ることも多い。
2段目の牌は枚数も少ないので、プレイする上では1段目の牌のみ独立していると考えても問題は無いだろう。
序盤は左右の端から中央部に向けて掘り進める。
そのために必要な牌は2段目の上下の端や3段目より高い部分から調達する。
1段目を左右の端から取っていくときには、上下とも赤いマークの範囲に触れないように掘っていく。
なお、ごく稀に序盤から赤いマークの範囲に踏み込む手順となることもあるが、それでも中央部分を残して先に上下を取りきる手順になることはない。
中盤では引き続き中央部分を取り尽くすまで掘っていく。
3択になって難しい判断を迫られることも多いが、見えている牌が多いのでしっかり手順を読めば大体は想定手順に沿って進められる。
ただし情報量が多いということはその処理にそれだけ時間がかかるということでもある。
3面は特に時間切れになりやすいので、時間配分にも注意する必要がある。
中央部分を取り尽くしたら赤いマークの範囲に手をつける。
この段階ではすでに2段目より上の牌はほとんど残っていないので、2択や3択を迫られるようなことはほぼない。
しっかりと手順を読み、確実に安全な手順で取っていればクリアできる。
4面は上2列と下2列(赤いマークの範囲)が他の部分と独立した構成になるが、山の高い部分と長く伸びた枝の端から3枚程度、さらに2段目の牌も端1枚程度は中央部分とペアにして取る可能性がある。
序盤はまず青いマークの範囲から崩していくが、そのために必要な牌を取れる範囲の全ての牌から選んでいく。
4面の序盤は特に取れる牌が少ないので一歩間違うとすぐに手詰まりになってしまう。
その代わり見えている牌の数は多いので、取ろうとしている牌の残り2枚がどこにあるか、取った後にどの牌が取れるようになるのかをしっかり見極めることが重要になる。
中盤も引き続き3〜6列目を崩していく。
この辺りまで進むとほとんどの牌は3〜6列目の牌同士でペアにして取ることになる。
したがって残り2枚のうち1枚が赤いマークの範囲に見えていればほぼ安全に取れることになるが、3〜6列目だけで3枚見えている場合はどうしても判断が難しくなる。
特に3列目と6列目の幅2枚の島で縦かぶりになるケースは見えている状況だけではほとんど判断できないので、開幕の時に3列目の6列目の1段目の牌を確認しておくと良い。
3〜6列目で隠れていた全ての牌が見えるようになったら赤いマークの範囲へ。
ここからでも手詰まりになる可能性は十分にあるが、2面と同様に3〜6列目である程度牌を残しておければ安全な手順でクリアできる可能性が高くなる。
5面は上2列が他の部分と独立した構成になるが、2列目を最後に残さざるをえない手順になるので構成について意識する必要はほとんどない。
2列目の中央3枚の部分は必ず最後まで残る。この部分に左右対称の並びが見えていることが多いが、左右対称に見えていない場合には左右にずれた形で1段目のどこかに左右対称の並びが隠れている。
序盤は左右の端と山の高い部分(青いマークの範囲)から。
左右の山の3x2の部分(緑のマークの範囲)にはあまり踏み込まず、5列目を左右から取るための道筋をつける。
5列目の牌を使いながら3・4列目の3段目より上の部分を崩していく。
3x2の部分では左右の端側の優先度が高く、中央寄りはやや優先度が低い。
3段目より上の部分を崩し終えたら3〜5列目を左右から取っていく。
この辺りまで来ると後の手順はほぼ一本道になる。
5面は序盤から中盤にかけてのミスの影響が終盤に現れやすいため、手詰まりになった時にどこでミスしたのか気づきにくい。
可能であればプレイを録画しておき、ミスした場所までさかのぼって手順を見直すと、配列の傾向を掴みやすくなる。
6面は上2列と下1列(赤いマークの範囲)が他の部分と独立した構成になる。
特に1列目と8列目の範囲でペアになる牌が多く、この範囲でペアにならない牌を2列目から調達するように考えると手順がわかりやすい。
序盤は3〜7列目の範囲で表面部分を満遍なく取っていく。
左右の端と山の頂上に2列にまたがっている牌があるが、この牌も特に優先度が高いわけではなく、他と同等程度と見て良い。
赤いマークの範囲の牌には確実に安全でない限り手を出さず、3〜7列目の牌のみで取り進められるような手順を探していく。
中盤以降も引き続き3〜7列目を崩していく。
各列が独立した地形のため、地形から優先度を推定するのは不可能と思われる。このため、絵柄の位置関係から手順を推測していくしかない。
赤いマークの範囲に2枚、3〜7列目の範囲に2枚見えている牌はそれぞれのペアが想定手順上のペアと考えられるが、3〜7列目の範囲に3枚見えている場合には他の牌との位置関係から推測することになる。
この辺りまで進めると赤いマークの範囲を取り進めるためのキー牌が3〜7列目の中から出てくることが多い。
ただしキー牌が全体で2〜3枚しか見えていない場合は慌てて取らないほうが良い。
4枚見えて手順も推測できたらキー牌を取り、そこからは赤いマークの範囲と3〜7列目の範囲を独立に、並行して取り進めていく。
ここまで想定手順に沿って進めることを前提として解説してきたが、実際に想定手順に沿うことには以下のようなメリットがある。
しかし、状況によってはあえて想定手順を外すことにメリットのあるケースもある。
上図の状況では、と取って問題無いように見えるが、万一の下にが隠れているととで手詰まりになってしまう。
想定手順からは外れることになるが、安全な手順でを取って隠れていた牌が明らかになれば、確信を持って花牌を取れるようになる。
上図の状況ではどのが想定手順上のペアになるか判断できないが、安全な手順でを取れば安全にを4枚取れるようになる。
このような時にはより先にをいずれかのペアで取り、想定手順から外れてしまった場合にのみを取るようにすると、より想定手順に近い形で手を進められるようになる。
上左図の状況からと取り進めたところ、上右図のようにでハマりになってしまったような場合。
を取った段階ですでに想定手順から外れてしまったわけだが、この例のようにハマりを構成している相手側の手順を変えることで手詰まりを回避できる場合がある。
このようにいくつかのメリットはあるが、あくまでも安全に取れる状況下での選択肢だという点に注意する必要がある。
例えば下左図のように想定手順を外す手が安全でない場合では手詰まりになる可能性が高く、デメリットの方が大きくなる。
また、下右図のように想定手順が明確な牌のみ妨害している場合はと取る手も考慮の対象にはなるが、で取った場合にはを取るまでやで想定手順外の取り方ができなくなる。
上海IIの山の形は上海Iと異なり半分ずれた位置に重なっている牌が多いため、一部が隠された状態で絵柄を識別しなければならない状況がしばしば発生する。
高い山の左側などではほとんど絵柄が見えない状況になることもあるが、この項では半分ずれた位置に1段分だけ牌が乗っている場合について解説する。
マンズの場合、上半分を隠されるとどの牌もまったく識別がつかなくなるが、他の部分については完全な識別が可能である。
右半分が隠されたケースは慣れるまでは難しく感じるだろうが、見える部分の特徴を覚えればすぐに識別できるようになる。
下半分と左半分が隠された場合についてはほとんど困ることはないだろうが、下半分が隠されたはと間違えやすいので注意が必要である。
ピンズの場合、下半分を隠されたと、上半分を隠されたはまったく識別がつかない。
右半分が隠されたもと間違えやすいが、の場合は中央の丸が2ドット見えるので識別できる。
下半分が隠されたはと間違えやすいが、の場合は上辺の隙間がないことから識別できる。
ソーズの場合、下半分を隠された、上半分を隠された、および右半分を隠されたの三通りは識別不可能になっている。
右半分を隠されたはとほとんど同じように見えるが、よく見ると竹の左右についている出っ張りの部分がのみ左右対称でないことから識別できる。
左半分や右半分を隠されたは、竹がやや内側に寄っていることからと識別できる。
右半分を隠されたは絵柄が全く見えなくなっているが、他に絵柄が見えなくなる牌がないことから判別できる。
字牌の場合はどの部分が隠されていても全て識別可能である。
ただし下半分が隠されたと、は間違えやすいので注意したほうがいいだろう。
花牌と季節牌については、他の牌との識別に困ることはないだろう。
季節牌同士の区別は難しい場合があるが、緑の部分が特に多いのが、ほとんどないのがと覚えておけばと識別できる。
その他、細かい部分や複合的な場合などは下のツールを使って確認していただきたい。
上海IIをプレイしていると、まだ取っていない牌をすでに取ったものと勘違いして取ってしまう、というミスを犯すことがよくある。
例えば下左図ではが2枚しか見えていないが、ここでと取ってしまうと、下右図のように残りので手詰まりになってしまう。
また、こうしたミスを恐れるあまりにすでに取った牌の残りのペアを取らずに残してしまうと、別のミスを誘発してしまうこともある。
下左図の状況ではを先に取れば下中央図のようにを4枚取る手順が見えるようになるが、を先に取ってしまうと下右図のように手詰まりになってしまう。
もちろんどの牌を取ったかを完璧に覚えていられれば問題ないのだが、それができないのであれば何らかの手段で記録しておくと良い。
筆者の場合はそろばんを使用している。
以前は上の写真のような通常のそろばんを使用していたが、今では下の画像のものを使用している。
このそろばんは組み立て式のもので、末廣算盤(onosoroban.fan.coocan.jp)で扱っている。
そろばんの石をはじく際に視点が画面から外れることになるので使い慣れるまではタイムロスがやや大きくなるが、どの牌を取ったかを記憶しておく必要がなくなることもあり、メリットは非常に大きくなる。
ヘルプを使用するとその時に取り去ることのできるペアが1組選択されるが、この時に選択される牌は以下の優先順位で決まる。
同種の牌が4枚とも選択できる場合は想定手順上のペアが選択されるようだが、3枚しか選択できない場合には想定手順と異なるペアが選択されることがある。
したがって、ヘルプで選択される牌は手順選択の参考にはならない。
著者: SAL